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ストーリー

夜中の鐘が鳴った。
おじさんのいびきが聞こえてきた。
少年は、おじさんをじっと見つめた。
自分をこれだけこらしめたんだ。
のんきに暮らすのは許せない。

少年は、おじさんの枕元に毛糸の帽子が置いてあるのに気づいた。

許せなかった。少年にはぼろしか着せないのに、

自分だけが温かい思いをしようとしていることが。

少年は、帽子をおじさんの口に押し込み、

一目散に逃げた。

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